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アーユルヴェーダの木の下で

ハタイクリニック アーユルヴェーダスタッフのブログ

ナスの思い出、プラス。

お盆の夏休み以降、田舎の母が作ってくれたナスを大量に持って帰ってきて以来、ここのところ
毎日のようにナスを食べています。
ナスというと思い出すのが、初代院長幡井先生のことです。
先生はナスがどのようにして日本に伝わったか、ということを個人的に研究しておられ、
アジアの国に旅行するとその土地のナスを市場で探してはこっそり(!)持ち帰ってきておられました。
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白や緑色のナスを初めて見たのは、旅から帰られた幡井先生のお宅のダイニングテーブルだった気がします。

クリニックに入って間もない頃、そんな先生のナスへの熱い思いを知らず、
私は「ナスってなんの栄養もないものらしいですよ」と言ってしまったのです。
後から先輩に「先生はナスの研究してるんだよー、あんなこと言って!」と言われて
あちゃー!失言した!と焦った思い出があります。
でもその時先生が、私の言葉に怒るでもなく、いやな顔をするでもなく、
いたずらっ子のような面白がるような目で「あ、そう??」と仰ったのを今でもよく覚えています。
この時の私の失言を思い出し、その真偽のほどが気になって、ちょっと調べてみました。
確かにどこかで聞いたはずだけど・・・
「本当にナスって栄養がないものなのか?」

『ナスはナス科ナス属。原産地はインドの東部が有力とされ、インドでは有史以前から
栽培されていたと考えられている。その後、ビルマを経由して中国へ5世紀ごろに渡ったと
考えられており、多くの変異が生じていった。』
(そうそう、幡井先生もシルクロードに目をつけておられました。)

『栄養的にはさほど見るべきものはないが、東洋医学では体温を下げる効果があるとされている。
また皮の色素ナスニンは抗酸化作用があるアントシアニンの一種である。』
『ナス果実の93%以上は水分である』 
やっぱり!栄養がないっていうのはおおむね間違ってはいなかった!と思ったのですが、
読み進めるとビタミンなどは少ないながらもバランスよく保持しているとのこと。
ナスニンによる抗酸化作用から動脈硬化予防、老化予防などに効果があるようです。
でもこのナスニンは水溶性なので、あく抜きのために水に漬けすぎるとなくなってしまうので要注意です。

ナスは栄養素的にはそんなに突出して優秀な食べ物ではないようですが、夏の暑い時期に
身体を冷やしてくれるという意味では理にかなった食べ物だと思われます。
野菜や果物はその土地の季節のものを食べるのがよい、というアーユルヴェーダの言葉と合致。
薬効という意味では、食する(内服)よりも外用としての多岐に用いられるようです。
あくまでも民間療法としてですが、

『打ち身、捻挫、軽いやけどには、十分に冷やした果実を縦切りにして、切り口を患部に当てることを何度も繰り返す』
(やはり冷性の性質があるからでしょうか。手軽に実行できそうです)

『しもやけには、乾燥した茎10 - 20グラムを水600 ccで煎じた液(水性エキス)で、患部を洗う』
(これは夏の間に茎を乾燥させておいて、冬に使うということですね。いかにも生薬、漢方っぽいですね・・・)

『イボには、切り口で直接患部をこする。』
(子供の頃、祖母から聞いた覚えがあります。)

『ナスのへたの黒焼きを作って、粉末状にして食塩を混ぜたものは歯磨き粉代わりになり、
歯槽膿漏、歯痛、口内炎に効果があるといわれている』
(今でも自然食品やさんにナスの黒焼きというのが売っています。インドでは歯磨きといえば
ニームですが、ニームのない日本ではナス?)

『ナスには鎮静・消炎の効果がある考えられてきたことから、日本では昔から茄子を食べると
体温を下げて、のぼせに有効とされてきた』

などなど。
ぼんやりと「栄養がないスポンジ」と思っていたナスですが、こうしてちょっと調べてみただけでも
「薬にならない草はない」
というアーユルヴェーダの教えどおり、ただ私達がそれを使い切れていないだけで
いろんな効能があるんだなぁ・・・とちょっと自然の叡智に頭が下がるような気持ちになりました。
ナスといえば幡井先生の思い出だけでなく、愛着と敬意が加わった気がします。
-A-

※『 』はWikipediaより